
イタリアテンペラ(テンペラ グラッサ)
油彩・テンペラ混合技法
(ミックス テンペラ)ボッティチェリ
ファン・エイク

15世紀中頃から、油彩画の普及が進むにつれ、ドイツ、スイス、イタリアでは16世紀始めまで油彩とテンペラの併用技法が用いられた。テンペラの技術が復興するのは、19世紀中期、C・チェンニーニの技法書「芸術の書」が発見、刊行され、これをもとにM・デルナーなど古典技術に興味を持った研究者や画家が、失われた技術の再興を目指し追試を繰り返し、今日知られるような技術を復元した。
北方ルネサンスで、最も盛んに描かれたこの技法は、その滑らかで硬く締まった肌合いと、深く透明な色調、筆触が見られない光沢ある絵肌が大きな魅力である。十数回重ねられるグラッシを駆使した明暗表現によって、ビロードの質感と固有色の透明に輝く階調が生まれる。テンペラ絵具による白亜地の明るさの上に透明な薄塗りで重ねられる油彩の絵肌の組み合わせは、油絵具の物性の理を究めた技法であり、時を経てもその輝きは失わない。
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黄金背景卵黄テンペラ
(エッグ テンペラ)フラ・アンシ゛ェリコ

フラ・アンシ゛ェリコ
テンペラとは、一般的に卵で顔料を練って作った絵具およびこの絵具を用いて描いた絵画の技法をいう。語源は、元来「混ぜ合わせる」という意味のラテン語のTemperareに由来し、中世では動物膠や植物性の接着物を混ぜた水溶絵具の総称として用いられた。卵を用いた技法自体は、ギリシャ、ローマ以前の時代から存在したが、中世の装飾写本や、中世末からルネサンス期にかけての祭壇画(板絵)や壁画の一部として絵画技術の主要な部分を占めた。リッピ親子、アンジェリコ、ウッチェルロ、ボッティチェリなどの巨匠による重要作品の多くがテンペラによっている。特徴は、一たん乾燥すると耐水性の丈夫な画面をつくり、色は何年たっても変わらず、純白の石膏下地の明るさを生かした明るい色調と、純色による明快な色面対比である。